特別な会社(特定目的会社―TMK、特別目的会社―SPCなど)を設け、それが出資などの形態で資本を集めたり、銀行融資で投資資金を集めたりする。それらの資金を合わせて不動産投資をし、テナント料などで得られる収益で、株主・出資者への配当や、銀行への返済を実施する仕組みが不動産の証券化だ。この仕組みは2つの形で応用される。ひとつは、既存の大型不動産を保有する企業が、その不動産を担保に資金調達する手段として利用した。
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例えば企業がSPCに本社ビルを売り、SPOがそれを小口化して投資家に販売した。企業は本社ビルの売却で売却益が入り、しかも、物件は賃料を払いながら利用しつづけることができる。リストラの一環としてこの手法が利用されることもあった。その理由は、(1)証券化の仕組みを利用することで企業の業績が悪くても、資産さえよければ資金調達がしやすくなった、(2)企業にとってはバランスシートから切り離して事業が実施できるため、有利子負債が増えず、格付けを維持しやすい―などだった。もうひとつは、不動産会社がこれから開発する物件の資金調達手段として利用した。大型開発は数百、数千億円規模の資金調達が必要になるが、不良債権問題で傷ついた銀行は一企業への大口融資には慎重だった。ただ不動産開発への非遡及型融資(ノンリコースローン)はリスクが限定されるため銀行は融資しやすく、一方、不動産会社も資金調達手段を拡充しやすい利点があった。こうしたパターンの証券化は平たくいうと企業が保有、あるいはこれから保有しようとしている不動産を小口に分けて投資家に販売して、資金を調達する仕組みで、資産流動化スキームと呼ばれている。