菊名の家を売って我孫子に移り、古い家をこわして新しい家へと、紆余曲折は数々とありましたが、何はともあれ、二ヵ月半後には無事完成、青い畳の部屋に移ることができました。家そのものは、費用を最少限におさえるために、昔なつかしい徳用マッチをタテにしたような総二階建て。どこにも出っ張りのない合理的といえば合理的、ありていにいえば飾り気の全くない無味乾燥な外観です。それでも家が傷まないように別棟として残しておいた一〇畳分の書庫兼書斎と合わせると五〇坪弱の家の主となりました。
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実際に住んでみると、まだいくらかの不満は残りますが、精いっぱいやりました。文句はいいますまい。今から思うと、だまされそうになったことも懐しい思い出の一つ。勉強させてもらったことを感謝しましょう。これから家を買ったり、建てたりする皆さん、私の小さな体験だけでもいろいろなことのあったことがおわかりいただけたと思います。男一匹、あるいは女一匹、家を一軒持つことは気苦労の耐えないことなのです。皆さん方もまた、私以上に新しい体験を積まれることと思います。どうか悔いの残らないマイホーム作戦を展開してください。ご成功を祈ります。