地震に耐えるようにするには、建物を強く固めてしまう方法と、地震がきたら柳に風と受け流してしまう二つの方法がある。強く固めてしまう方法は、壁を重厚にさせ、柱を太くするのがいい。受け流してしまう方式では、免震構造にするのが有効で、住設費の約一割ほど割高になるが、安全性には代えられない。免震構造とは、お盆の上にタバコを置いたのと同じ原理。まず、地震の代わりに、手でお盆を水平に揺すってみよう。揺すってもタバコは真ん中あたりにいてあまり動かない。タバコとお盆の間に滑りが生じているからだ。この原理を利用して、滑る部分はステンレスとゴムの組み合わせでつくり、一定量以上揺れが激しくならないようにするのだ。建物と地面を繋ぐのは、ホタテ貝の貝柱と同じ原理を利用してゴムで繋ぐと免震構造ができあがる。同じ建物でも地下部分は地震による増幅が少ないので問題は少ないが、地上部分は地震用の補強対策が必要である。地震でやっかいなのは、地震の規模が大小混ざっていることだ。どんな規模の地震にも対応するということは、車でいえば、オートマチック車のギヤをつくるのと同じである。そこで、私も参加した地震の研究チームが考えた免震構造の建物は、二つの機能でできていた。一つは、軸力と呼ばれる建物の重さを受けて地震時に建物を滑らせる滑り支承。もう一つは、滑らせた建物が暴走しないように建物を引きとめておくロープのような機能であり、帆立貝の構造に似たネオプレンゴムのストッパーだった。滑り支承・ストッパー方式だと、どんな規模の地震でも反応できる。
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