バブル期の高値での売却は至難の業

2011.10.14

九〇年のバブル崩壊後に海外から来たファンドは当初、東京都心のオフィスビルの取得にあたって収益性を重視した購入価格を提示しました。年利で一五パーセント前後(表面利回り)ぐらいで取得する例が多く、中にはそれ以上の利回りで購入したケースもありました。その後は不動産の買付競争が激しくなって価格が上昇し、ついに利回りが三パーセントを切る水準までハードルを下げて購入する例も数多く見られるようになりました。その不動産で事業を行うには収益性が低いとしても、短期売買で手放すことを前提に、値上がりを見込んで取得するという姿勢に転じたのです。土地取引についても、二〇〇〇年代に入っての金余り状況下、軽井沢では二年間で地価が四倍になった事例もありました。このような異常な価格による取引事例の経験や知識が、バブルが崩壊したいまでも不動産所所有者の脳裏に強くきざみ込まれています。いざ自分の不動産を売却しようというときに、市況の潮が変化してしまったことをまったく考えず、バブルの高値での売却にこだわり、売却する機会をみすみす逃してしまうのです。バブル期の高値での売却は、ほとんど至難の業です。もし「バブル価格」で売りたいのなら、当たり前ではありますが、バブルの間に売り抜けなければなりません。

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