雨の日も風の日も・不動産鑑定士の具体的な仕事

2011.10.07

「不動産鑑定業」や「不動産鑑定士」といった呼び名を知る人も、その具体的な仕事はさっぱりわからないのが実情ではないだろうか。まして、鑑定とはどういうことで、だれに依頼したらいいのか、どこに不動産鑑定士の事務所があるのかなどは、まったく知られていない。不動産の鑑定評価に関する法律」によると、「不動産鑑定業」は、「他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行なう」、国土交通省もしくは都道府県に登録した者ということになっている。「不動産鑑定業者」は個人でも法人でもかまわないが、事務所ごとに「専任不動産鑑定士」を置かなければならないことになっている。「専任不動産鑑定士」は当然、不動産鑑定士がなるわけだが、複数の事務所を兼務することはできない。業界の大半を占める個人の鑑定業者は、不動産鑑定業者と専任不動産鑑定士、不動産鑑定士の一人三役であることが多い。さて、不動産の鑑定をして、その価格を決めるためには、少なくとも四ヵ所を訪れて調査する必要がある。(1)対象不助産の所在地(2)地方法務局の支局・出張所(3)市・区役所(1)物件所在地の周辺の不動産業者の四ヵ所だ。不動産の所在地では、物件がどのようなものなのか実際に確認する他、周辺の環境なども調査する。法務局の出張所では物件の登記簿謄本、公図、建物図面などを取得して、物件との照合などを行なう。市・区役所では、都市計画法、建築基準法の区割りがどうなっていて、不動産がどのような区両にあるかなどをチェックする。最後に地元の不動産業者に行って、最近の不動産売買事例を少なくとも三件は収集し、算出根拠とする必要がある。不動産鑑定制度の発足当時、不動産取引事例は一カ所に槃まった情報はなく、鑑定士が地元の不動産業者を足で歩いて訪問して、売買価格を尋ねて回る他に収集する手立てはなかった。この作業は不動産鑑定士にとって労力と時間のかかる大変な作業の一つだった。

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