問題に関するレジメを事前に作成し、会議を誘導することにした。誰よりも早く出席し、出席者が来るたびにレジメを配ったのである。どんな会議でも、会議が始まるまでには、必ず時間かあるものだ。事前にアピール文を用意しておけば、その時間に全員が目を通してくれるはずだというのが狙いだった。レジメの題名は「大改修の進め方について」とした。大規模修繕を良質で安価に実施するために、どんな問題があり、なにを議論すべきかをまとめたものだ。
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過去一三年間の、管理会社と理事会の怠慢についても指摘している。改修工事を管理会社任せにしてはいけないこと、情報公開の必要性、談合のない透明な入札を行うこと等々、その時点で私が考えていたことを盛り込んでいる。いよいよ総会が始まった。管理会社から「過去六年分の会計を、この場でまとめて承認いただきたい」と提案された時、すでに出席者の大部分は「冗談じゃない」という気持ちで一致していた。あとは一気だった。過去に遡って会計を精査するため監査委員会を設立する動議が可決される。理事の全員が総辞職を表明。当日集まった「怒れる組合員たち」が新理事に選任される。新しい理事長に就任したのは、会社を引退したばかりで押し出しが強く弁のたつ元ビジネスマンだった。私は副理事長に就任したのである。新理事の中から私を含めて四名で監査委員会が結成される。管理会社側の議案はすべて廃案。まず監査委員会が精査を行ったのち、再度、総会を開くことだけが決められ、何年ぶりかの総会は散会となったのである。出席者の間には、少なくとも怒りの感情は共有された。だが出席しなかった百二十数世帯とも怒りを共有しなければ、改革を実行することはできない。そのための武器がニュースレターの発行だ。理事会が何かのアクションを起こしても、他の世帯と積極的に情報を共有しなければ、その活動は絶対に理解されないし支持されない。誤解から反対派も生まれるだろう。だからこそ闘いにはニュースレターは欠かせないツールなのである。